目の前にあるコーヒー豆が丸い!美味しく飲むには、挽いてコーヒー粉に変える必要がありますよね。コーヒー豆を挽くときの芳醇な香りや挽きたての極上の味わいは、自分でやるからこそ楽しめるもの。いろいろな挽き方を知って、あなたの好みのコーヒーに仕上げてみませんか?
ここでは、
「コーヒー豆はどうやって挽くの?」
「挽いたらどうすればいいの?」
と気になるあなたへ、5つの挽き方と挽き具合にぴったりの淹れ方&抽出器具をご紹介。いろんな風味を楽しむ方法も4パターンお届けします。
コーヒー豆の挽き方を知ろう!

挽くメリット・デメリット
コーヒーは、お湯や水に触れさせながらコーヒー豆の味・香りを引き出すもの。コーヒー豆を細かく砕くと表面積が大きくなるので、抽出するときにコーヒー豆の成分が効率よく引き出せます。
ただ、空気に触れる面積も大きくなるので劣化のスピードを早めてしまうのが残念なところ。挽いたときはガスと共に香りが大量に抜け出し、挽いたあとは酸素や水蒸気など風味の劣化の原因に接しやすくなります。
挽き方の違いで風味や濃度が変わる
コーヒー豆の挽き方は全部で5種類!ザラザラした小さい砂利のような粒からサラサラした砂のような粒まで、いろいろな大きさ(粒度)が作り出せます。
できたコーヒー粉は、それぞれ表面積や量(かさ)が違うので抽出できる成分もさまざま。コーヒーの濃度や風味に差が出るのはもちろん、美味しく飲める淹れ方や抽出器具もそれぞれにぴったりなものがあります。
挽き方別!美味しい淹れ方&抽出器具
では、コーヒー豆の5つの挽き方と、それに合う淹れ方&抽出器具をみていきましょう!
一覧表
挽き方 | 粒の大きさ(目安) | 淹れ方&抽出器具 |
極細挽き | 上白糖よりややパウダー状 | ・エスプレッソマシン ・イブリック (ターキッシュコーヒー) |
細挽き | 上白糖とグラニュー糖の中間 | ・ウォータードリップ (水出しコーヒー) |
中細挽き | グラニュー糖 | ・ペーパードリップ ・コーヒーメーカー |
中挽き | グラニュー糖とザラメの中間 | ・サイフォン ・ネルドリップ ・フレンチプレス |
粗挽き | ザラメ | ・パーコレーター |
極細挽き(ごくぼそびき)は苦味がとても強い
極細挽きの大きさは「上白糖」によく例えられ、ココアパウダーのようなサラサラ系のコーヒー粉になります。表面積が1番大きく、コーヒー豆の成分を引き出しやすいのが魅力。一方で、苦みや渋みなどの悪い味も出やすいのが欠点です。
向いている抽出器具は、お湯に触れる時間が短くサッと抽出できるエスプレッソマシン。また、コーヒー粉の上澄みを飲むトルコ式コーヒー(ターキッシュコーヒー)に使うイブリックです。
細挽き(ほそびき)は苦味とコクが強い
細挽きの大きさは「上白糖とグラニュー糖の中間」が目安。極細挽きほどではありませんが、濃度の高いコーヒー粉になります。
向いている抽出器具は、加熱せずに成分をゆっくり引き出すウォータードリッパー。10杯分で6〜8時間程度かけ、なめらかですっきりと飲みやすくする水出しコーヒー(ダッチコーヒー)です。
中細挽き(ちゅうほそびき)はバランスが良い
中細挽きの大きさは「グラニュー糖」が目安。市販されているレギュラーコーヒーに多く、粒度に対して、お湯が通るスピードやお湯に触れる時間などのバランスが良いコーヒー粉になります。
もっとも一般的な挽き具合なので、人気のペーパードリッパーやコーヒーメーカーにセットするコーヒー粉は中細挽きが向いています。コーヒー豆の挽き方に迷ったら中細挽きがおすすめ。
中挽き(ちゅうびき)は苦味が少ない
中挽きの大きさは「グラニュー糖とザラメの中間」が目安。表面積が小さい分、コーヒー豆の苦味や渋みが出にくいコーヒー粉になります。
味や香りを引き出すには、長めにお湯と触れさせることが重要。向いている抽出器具は、ハンドドリップよりもゆっくりと時間をかけて抽出させるサイフォン・ネルドリップ・フレンチプレスが向いています。
粗挽き(あらびき)は酸味が強い
粗挽きの大きさは「ザラメ」が目安。表面積が1番大きいので、苦味や渋みがもっとも出にくく酸味が出やすいコーヒー粉になります。短時間で抽出しても薄いコーヒーしか作れないので、味や香りを出すには高温で長めに抽出させることが重要。抽出器具は、熱伝導率が高く抽出時間の長いものが向いています。
ぴったりなのは、キャンプや登山などアウトドアで人気のパーコレーター!たき火やガスバーナーで直接加熱する金属製で、高温でじわじわとコーヒーを抽出していくタイプです。粗挽きの大粒なら、コーヒー粉をセットするバスケットからはみ出しにくく粉っぽいコーヒーに仕上がるのが防げますよ。
コーヒー豆を挽いてみよう
コーヒー豆を上手に挽いて、美味しいコーヒーを楽しみましょう!
挽くときの4つのポイントはこちら。コーヒー豆の良さが引き出せるように覚えておきましょう。
- 淹れる直前に必要な量だけ挽く
- 粒の大きさを均一にそろえる
- 使う抽出器具に合わせる
- 余ったら正しく保存する
1つずつ詳しくお話ししますね。
1.淹れる直前に必要な量だけ挽く
コーヒー豆は、コーヒーを淹れる直前に挽きましょう。挽いた瞬間から、どんどん劣化していくコーヒー豆。香りが楽しめる一方で、酸素や水蒸気に触れて風味が悪くなっていきます。
コーヒー豆の賞味期限は、焙煎後30日ほどが目安。一方で、コーヒー粉は焙煎後14日ほどが目安だといわれています。とあるコーヒーメーカーの質問コーナーを見てみると・・・
「グラインド後は賞味期限に関わらず、冷暗所で保管し1〜2週間以内にご利用ください」
とのこと。直前に挽けば、味・香り共に最高の状態でコーヒーが楽しめますよ。
2.粒度を均一にそろえる
全てのコーヒー粉から美味しい成分を引き出すため、粒度を均一にそろえましょう。粒の大きさがバラバラだと、お湯を通したときに抽出ムラができやすくせっかくのコーヒー豆の美味しさが十分に味わえません。
家庭用のコーヒーミルは、大きく分けて2種類。
種類 | メリット | デメリット |
電動ミル (プロペラ式、臼式、コニカル式) |
時短で1度に大量に挽ける 粒度が均一になりやすい |
設置するスペースが必要 動作音が大きい |
手動ミル | 豆を挽く音、感覚が楽しめる 場所を問わない |
時間と体力が必要 量産できない |
コーヒー豆のセット後、モーターで刃を高速回転させながら粉砕する「自動ミル」。自分でハンドルを回しながらコーヒー豆を挽いていく「手動ミル」。価格やサイズは商品によってさまざまなので、ライフスタイルや挽くタイミングなどを考えながらあなたの使いやすそうなものを選んでくださいね。
コーヒーミルがないときの代用品
そんなときはお家にある調理道具を使ってみましょう!
- 電動ミル → ミキサー(フードプロセッサー)
- 手動ミル → すり鉢
注意点は、「コーヒー豆を挽く専用のもの」じゃないということ。ミキサーは刃の部分にコーヒー粉が詰まるおそれがあり、粉砕時の摩擦熱でコーヒー豆の劣化を早めてしまうかもしれません。すり鉢は刃がない分、手動ミル以上に時間と体力が必要です。
3.使う抽出器具に合わせて挽く
あなたは、いつもどんなコーヒーの淹れ方をしていますか?コーヒー豆の挽き具合をいろいろと楽しみたいときは、使い慣れている抽出器具に合わせるとGOOD!すでに美味しい味を安定して出せていると思うので、挽き具合の違いが分かりやすくなります。
極細挽き | ・エスプレッソマシン |
---|---|
細挽き | ・ウォータードリッパー |
中細挽き | ・ペーパードリッパー ・ドリップコーヒーマシン |
中挽き | ・サイフォン ・エアロプレス ・フレンチプレス ・ネルドリッパー |
粗挽き | ・パーコレーター |
4.余ったら正しい方法で保存する
コーヒー豆を挽いてできたコーヒー粉は、鮮度を保つために正しい方法で保存しましょう!
コーヒー豆はコーヒーを淹れる直前に挽くと良いとはいえ、全て使い切るのは難しいかもしれません。また、忙しい朝には挽く時間がもったいないので1度にたくさん挽いておこうと考える人もいるのではないでしょうか。
コーヒー粉の鮮度を保つには、コーヒーの成分に悪い影響を与える原因「酸素・光・温度・水」を避けることが大切。
- なるべく酸素に触れさせない
- 紫外線・太陽・電灯を避ける
- 高温・多湿を避ける
まずは、保存中に空気が抜けたり入ったりしないよう、密閉容器にイン。1袋分を全て挽いたときは、袋に入れ直して口をテープや輪ゴムでしっかりとめ、密閉容器に入れるとよりGOODです。1回分に分けておくと、使うときにほかのコーヒー粉の劣化が防ぎやすくなりますよ。
保存場所は、1週間以内に使うなら常温&風通しの良いところがベスト。1週間〜1ヶ月以内に使うなら冷蔵庫・冷凍庫。扉の開け閉めによって温度が変化しやすいので、庫内の奥の方へ入れておきましょう。
コーヒー豆の挽き具合を楽しもう
ここまでご紹介してきたのは、コーヒーを美味しく飲むための挽き方・淹れ方・抽出器具でした。でも、味の好みは人それぞれ!お家でコーヒーを楽しむときは、自由に淹れればOKです。
- 同じ淹れ方×違う挽き方
- 同じコーヒー豆×違う挽き方
- 同じ挽き方×違うコーヒーミル
- 同じ挽き方×違う時間・タイミング
このように、いろいろな組み合わせを試してみてはいかがでしょうか?挽き方の種類によってコーヒーの風味や口当たりなどの違いが分かるようになれば、あなたのコーヒーライフがより充実すること間違いなしです。
挽き方のポイントまとめ
コーヒー豆は、挽き方によって味や香りだけじゃなく飲むときの口当たりなどもガラリとチェンジ。
- 細かく挽くほど成分が出て苦味が強くコク深くなる
- 粗く挽くほど味が薄まり苦味よりも酸味が強くなる
この2つだけでも、ぜひ覚えていただきたいです!
また、コーヒーを淹れる工程の中で「挽くこと」が1番好き!という人もいます。手動ミルでコーヒー豆をゴリゴリ砕く感触が大好き!という声もありますよ。今までチャレンジしたことがない挽き方も、1度やるとやみつきになっちゃうかも。
あなた好みのコーヒーを見つけるため、違う味わいや雰囲気を楽しむためにいろんな挽き方を試してみてくださいね。