ブラジル産コーヒーはバランス良い風味の万能タイプ!美味しく味わう方法とおすすめコーヒー豆
コーヒー豆は、赤道が軸となるコーヒーベルトを中心に多くの産地で栽培されています。ブラジルは、その中で生産量・輸出量・日本への輸入量No.1を誇るコーヒー大国!
コーヒーの栽培が盛んなブラジルのミナスジェライス州は、日本との距離がなんと約18,000km(地球1周の約半分)もあり、広さは日本の約1.5倍!
そんな遠いところからやってくるブラジル産コーヒーの知識を深めて、美味しく楽しく味わってみませんか?
ここでは、
「ブラジルのコーヒーってどんなコーヒー?」
「どんな飲み方がいいの?」
「どれが美味しい?」
と気になるあなたへ、味や香りの特徴と本格的に楽しむ飲み方をご紹介します。
ブラジル産のコーヒーは広大な農園で栽培されている
コーヒーの生産量・輸出量・日本への輸入量
生産量 | 3,173トン(2022年) |
輸出量 | 2,132トン(2022年) |
日本への輸入量(コーヒー生豆) | 約124,473トン(2023年) |
世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング・推移|グローバルノート株式会社
日本のコーヒー生豆の国別輸入量|一般社団法人 全日本コーヒー協会
ブラジル産のコーヒー豆生産量は、2位のベトナム(約1,954トン)と約1.5倍もの差をつけて第1位。輸出量も、2位のベトナム(約1,314トン)と約1.5倍の差をつけて第1位。生産量も輸出量も世界の約3割を占めており、まさにコーヒー大国だといえます。
そもそも、ブラジルは世界最大の農業大国。コーヒーはもちろん、砂糖・鶏肉・トウモロコシなどの輸出額も世界No.1!日本でも、多くのブラジル産の食品が並んでいるんですよ。
日本へのコーヒー生豆の輸入量も負けていません。コロンビアやグアテマラを含む上位24カ国(約354,824トン)の約3割で圧倒的に多く、そのため単価が低めなのが特徴です。
単価の高いゲイシャのコーヒー豆は、1kgで約6,000円。対して、ブラジルは1kgあたり1,500円ほど(2024年時点)。ブラジル産のコーヒーは比較的リーズナブルに手に入るといえるでしょう。
約60億本のコーヒーの木がある
コーヒー農園面積 | 約27,000㎢ |
栽培方法 | 非水洗式、パルプドナチュラル |
収穫方法 | 機械摘み、手摘み |
収穫時期 | 5〜8月ごろ |
ブラジルは、農業大国だけじゃなくハイテク産業が発展した工業国。平地に多い大規模農園では大型設備の整った機械摘みによる「非水洗式」、山岳地帯の小規模農園では手摘みによる伝統的な「ナチュラル製法(パルプドナチュラル)」が用いられています。
非水洗式 (機械摘み) | ・選別後、コーヒーチェリーをそのまま乾燥させ果肉とパーチメントを1度に除去する方法 ・1粒ずつ選別でき、完熟豆だけを収穫できるがコスパが悪い |
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パルプドナチュラル (手摘み) | ・果肉を取り除いた後、シミュレージの残ったパーチメントを乾燥させる方法 ・パルパー(果肉除去機)が使えるため、完熟豆の均一性が高くなる ・コスパに優れているが、まとめて選別するため豆のロスが大きい |
広大なブラジルにあるコーヒーの木はなんと約60億本!それぞれ、標高や気候などが違う土地で育ち多種多様な方法で栽培されており、できあがるコーヒー豆にもいろいろな種類があります。
ブラジルと日本を比較
日本と比べて、ブラジルはどんな国なのかを探ってみましょう。
ブラジル | 日本 | |
面積 | 851万2,000㎢ | 37万975.81㎢ (2024年7月時点) |
人口 | 約2億1,531万人 | 約1億2,385万人 |
首都 | ブラジリア | 東京都 |
言語 | ポルトガル語 | 日本語 |
コーヒー消費量(1人/年) | 6.35kg | 3.4kg |
ブラジル基礎データ、人口推計|外務省
全国都道府県市区町村別面積調|国土交通省国土地理院
世界の1人当たりコーヒー消費量|一般社団法人 全日本コーヒー協会
ブラジルは、南米大陸のおよそ半分を占める南米でもっとも広大な国。日本の約23倍の広さで、赤道が軸の「コーヒーベルト」に大半が属しており、北部は熱帯気候、中部は亜熱帯気候、南部は温帯気候といろんな気候帯を有しています。
コーヒーの消費量は日本の約2倍で、アメリカに次いで世界第2位。コーヒーに携わる人は人口の約3割。ブラジルでは朝ご飯のことを「カフェ・ダ・マニャン(=朝のコーヒー)」と言い、ブラジル人にとってコーヒーは生活や人との交流に欠かせない存在となっています。
ブラジル産コーヒーの品種と味わい
どんな味がするの?
ブラジル産のコーヒーにはどんな種類のコーヒー豆があるのか、どんな味や香りがするのかを詳しく見ていきましょう!
アラビカ種が約7割
コーヒー豆には「アラビカ種」「カネフォラ種(ロブスタ)」の2つの品種があります。
ブラジルでは、ほとんどがアラビカ種。コーヒー豆の全生産量の約6割を占め、カネフォラ種と比べて少糖類・酸・脂質が多いため強い酸味と甘い香りを感じるのが特徴です。
ブラジルのアラビカ種は、品種改良によってさらに細かく分かれており、
- ブルボン
- カトゥアイ
- カトゥーラ
- ムンドノーボ
といったブルボン系が主に栽培されています。
銘柄でいえば、
- サントス
- サンジョゼ
- カクェンジ
- カドテアズール
が有名。それぞれの味や香りは以下のとおりです。
サントス | ほどよい酸味と苦味がバランスよく、口当たりがまろやか |
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サンジョゼ | 柔らかな酸味とビターチョコやアーモンドのような濃厚な甘みとコク |
カクェンジ | ラズベリーのような甘酸っぱい酸味とキャラメルのような濃厚な甘味 |
カドテアズール | 程よい酸味、やさしい甘味、ほのかなコクと苦味 |
カネフォラ種(ロブスタ)が約3割
コーヒー豆の全生産量の約40%を占めるカネフォラ種。通称「ロブスタ」ともいい、原産国はアフリカ・コンゴ。コーヒーの苦味の元であるカフェインがアラビカ種の約2倍あり、渋みの元であるクロロゲン酸類も多いため強い苦味と香ばしい香りを感じるのが特徴です。
ブラジルのカネフォラ種(ロブスタ)は「コニロン」。生豆ではなくインスタントコーヒー・缶コーヒー等の工業用の原料や国内向けの消費に使われています。
ブラジル産のコーヒーを味わいつくす飲み方
どうやって飲むと美味しい?
コーヒーには、インスタントコーヒー・缶コーヒー・ペットボトルコーヒーなど色々ありますが、本格的なコーヒーを味わうならやっぱりコーヒー豆から自分で淹れるのが1番!
ブラジル産のコーヒーの特徴を活かしながら、美味しく楽しく飲む方法は以下の5つです。
- 焙煎度を変える
- ブレンドコーヒーのベースにする
- エスプレッソで歴史の味や香りを確かめる
- エスプレッソでアレンジコーヒーを作って楽しむ
- 砂糖をたっぷり入れて本場ブラジルの飲み方を楽しむ
それぞれ詳しく紹介しますね。
焙煎度を変える
焙煎度を変えて、それぞれの味や香りを楽しみながらお気に入りのコーヒー豆を見つけましょう!
コーヒーの生豆から、風味をうみだす大切な工程「焙煎」。品種によっては、飲めなくなるほどの強い酸味や苦味が出るものがあります。でも、ブラジル産のコーヒー豆は万能!深煎りから浅煎りまでどんな焙煎度合いでも美味しく飲めるので、安心して風味が追求できます。
例えばこちら。
- 強い酸味を感じたい → ミディアムロースト
- 苦味と酸味をバランスよく感じたい → ハイロースト、シティーロースト
- 強い苦味を感じたい → フルシティーロースト
エスプレッソやカプチーノを飲むときは、さらに苦味が強くなる深煎りの「フレンチロースト・イタリアンロースト」で淹れるのがおすすめです。
ブラジル以外のコーヒー豆と、同じ焙煎度で飲み比べるのもGOOD!コロンビアやグァテマラと比べて、ブラジル産のコーヒー生豆は色づきが早め。酸味や苦味のバランスがそれぞれ違うので、産地別にコーヒーの風味の差が楽しめます。
ブレンドコーヒーのベースにする
ブラジル産をベースにして、あなただけのオリジナルブレンドコーヒーを味わいましょう。苦味と酸味のバランスが良いので、どの銘柄を合わせても成功しやすいんです!
例えばこちら。
- ブラジル+コロンビア+グァテマラ = 甘い香りとコク深いマイルドな口当たり
- ブラジル+エチオピア = 上品でフローラルな香りと酸味
いろんな組み合わせを楽しみながら、新しい味や香りが見つけられます。あなたが見つけた世界にひとつのオリジナルブレンドコーヒー。大切な人へのプレゼントにすると、特別感がアップしますよ。
エスプレッソで歴史の味や香りを確かめる
まずはミルクや砂糖を入れず、ブラジル産のコーヒー豆そのものの味や香りを確かめましょう!
18世紀の1727年、フランス人のフランシスコ・メロ・パレタがコーヒーの木の苗木を持ち込み、家庭用に栽培したのがブラジルコーヒーの第1歩。それから現在まで約300年、コーヒー大国と呼ばれるには、農園主をはじめ奴隷制度発足による約150万人の奴隷たちやヨーロッパなどから来た多くの移民の大きな労働力が欠かせなかったといわれています。
その歴史ある時代を超え、現在のブラジルのコーヒースタイルは「エスプレッソ」が主流に!コーヒー豆(粉)に高い圧力をかけ、成分のうま味をぎゅっと短時間で絞って抽出したコーヒー。雑味がなく、酸味や苦味のバランスが良いコク深い味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
エスプレッソでアレンジコーヒーを作って楽しむ
エスプレッソにミルクや砂糖などをプラスしたアレンジコーヒーを楽しみましょう!少量&濃厚なので、組み合わせの幅はコーヒー界でNo.1!何と合わせてもエスプレッソ独特の味や香りが負けず、美味しいドリンクが作れます。
例えば以下のようなメニューはいかがでしょうか?
- カフェラテ
- カフェモカ
- カプチーノ
- アフォガード
- マロッキーノ
- キャラメルラテ
- キャラメルカプチーノ
- チョコレートカプチーノ
▼詳しいレシピはこちらを参考にしてください。
砂糖をたっぷり入れて本場ブラジルの飲み方を楽しむ
雰囲気を楽しむため、ブラジルの人々が好んでいる飲み方を真似してみましょう!方法は、ホットのエスプレッソに砂糖をたっぷり入れてとことん甘くすること。エスプレッソの一般的な1杯分「30ml」に対して、スプーンいっぱいの砂糖を「4〜5杯」がおすすめです。
ブラジルには氷を入れたアイスコーヒーがほとんどなく、真夏でも味わいをダイレクトに楽しめるホットコーヒーが好まれています。カフェなどに行っても、はじめから砂糖が入っているものが多いのだとか。シュガースティックが3〜5本ほど出されるのも当たり前だそうです。
ブラジル産おすすめコーヒー豆3選
どれが美味しい?
最後に、おすすめしたいブラジル産のコーヒー豆を紹介しますね。
①オーガニック ブラジル|東京コーヒー
東京コーヒーオーガニックブレンドは、ディープなコクのある苦味とほのかな甘味を包み込むような優しい酸味が特徴。100%有機栽培でJAS認証取得済み。オーガニック・新鮮・自家焙煎をモットーに、焙煎直後の味や香りが豊かなコーヒー豆を梱包し発送しています。
フルシティーロースト(中深煎り)は、酸味が少しだけ残り苦味とコクが引き出された焙煎度。甘い香りでバランスが良く、エスプレッソに向いています。
②ブラジル サントス No.2|ニシナ屋珈琲
ほどよい苦味と酸味があり、香り豊かでまろやかな飲みやすいコーヒー豆です。ブラジルコーヒーの中で最高等級のNo.2。サントスは300gに含まれる欠点豆の数によって等級が決められていますが、欠点豆数0のNo.1はほぼありえないためNo.2が王様です。
ニシナ屋珈琲は昭和8年に創業。コーヒー豆の輸入から国内保管と流通にこだわり、50年以上の付き合いがある信頼ある業者と取引しているので安心です。
③ブラジル モンテアレグレ農園 ナチュラル|Kakashi Coffee
ローストアーモンドのような香ばしさと、キレの良い甘さやなめらかな酸味とコクがあるコーヒー豆。ハイローストで焙煎した軽めのテイストで、どんな食事にもよく合います。
BSCA(ブラジルスペシャルティコーヒー協会)の認証マークを取得しており、ブラジル国内での生産から消費までの過程が追跡できます(トレーサビリティ)。
ブラジル産は失敗しにくい万能コーヒー
広大な土地から生まれた歴史あるブラジル産コーヒー。品種や銘柄にもよりますが、酸味や苦味のバランスが良いのでストレートでもブレンドでも美味しく味わえます。
飲んでみたい!と感じたら、今回ご紹介したブラジルを味わいつくす飲み方にぜひチャレンジしてみてください♪コーヒーの奥深さを実感して、あなたのステキなコーヒー日和が過ごせますように。