グアテマラコーヒー「8大産地」の特徴と風味!美味しい飲み方で上品なあなたに
中央アメリカ北部に位置する「グアテマラ共和国」。国土の約70%が火山に囲まれた山岳地帯で、美味しいコーヒーの栽培に最適な環境がそろっています。
グアテマラ産コーヒーの風味は、総じて「やや強い酸味と花を思わせる上品な香り」。でも北海道と四国を合わせた広さよりやや大きい国土面積の中で、上質なコーヒーを栽培する産地が実は「8つ」もあり風味が微妙に違うんです!
そこで、
「グアテマラ産のコーヒーは何が魅力?」
「詳しくいうとどんな味?」
「美味しい飲み方は?」
と気になるあなたへ、グアテマラ産コーヒーが美味しい理由と8大産地の各特徴&コーヒーの風味をご紹介。バラエティ豊かなコーヒーを楽しみながら、くつろぎのコーヒー日和を過ごしてみませんか?
グアテマラ産コーヒーとは
グアテマラ共和国(スペイン語:República de Guatemala)
人口 | 1,660万人 |
---|---|
国土面積 | 108,889㎢ |
位置 | 中央アメリカ北部 |
首都 | グアテマラ市 |
通貨 | ケツァル(Q) |
季節 | 雨季(5〜10月)、乾季(11〜4月) |
公用語 | スペイン語 |
主要産業 | 農業(コーヒー、バナナ 等)、繊維産業 |
日本との距離 | 12,305km |
日本との時差 | 15時間遅い |
※参照元:グアテマラ基礎データ|外務省(2021年7月時点)
グアテマラ共和国(通称:グアテマラ)は、メキシコを除く中央アメリカの中でもっとも人口が多い国。令和元年時点での鹿児島県とほぼ同じ人数です。
グアテマラは古代マヤ語で「常春」という意味があり、都市のグアテマラ市(グアテマラシティ)は標高が高いため年中温暖。「常春の都」と呼ばれています。
国土面積は、日本の約3分の1の国土面積で北海道と四国を合わせた広さよりやや大きめ。太平洋とカリブ海に面し、北緯14度から18度にかけて北部(太平洋海岸地帯)と南部(山岳高原地帯)に分かれています。
第三紀の火山活動でうまれた山岳地帯は、国土の約70%を占める広さ。ここで、主要産業の1つである農業「コーヒー」が栽培され、収穫・精選されたコーヒー生豆が日本へ運ばれてきます。
コーヒー生産量は世界第10位
グアテマラは、コーヒー豆の生産量が2019年時点で世界第10位。中米を代表するコーヒー生産大国ですが、国内消費ではなく輸出が多い印象。コーヒー生豆をほぼ輸入に頼る日本では、ブラジル・ベトナム・コロンビアが上位3ヵ国になり第6位にグアテマラがランクインしています。
※参照元:国際コーヒー機関(ICO)統計資料(2021年7月時点)
※参照元:コーヒー輸出統計2021年5月度確報|一般社団法人全日本コーヒー協会(2021年7月時点)
最近では、2020年にセブンイレブンのセブンカフェでグアテマラブレンドが販売されましたよね。私も実際に飲みましたが、普通のホットコーヒーとは味わいがケタ違いでした。
- 苦味はあるのに、後口がスッキリしていて飲みやすい
- レギュラーサイズじゃもの足りない
- 香りが強く匂いからして惹かれる
と、ネットでも口コミサイトやグルメサイトなどでたくさんの口コミが投稿されています。それほど、グアテマラ産コーヒーは日本人の口に合いやすく、注目されやすいコーヒーだと言えるのではないでしょうか。
7等級で格付けされている
「グアテマラSHB」など、国名の後ろに記号がついたコーヒーを見かけませんか?この記号は各国独自で鑑定されたそのコーヒーの等級。グアテマラを含む中米では栽培地の「標高」が基準となっており、「標高が高い=厳しい環境=コーヒー豆の風味が豊かになる」と考えられています。
標高 | 規格 |
1,300m以上 | SHB(ストリクトリー ハードビーン) |
1,200〜1,300m | HB(ハードビーン) |
1,050〜1,200m | SH(セミハードビーン) |
900〜1,050m | EPW(エクストラ プライム ウォッシュド) |
750〜900m | PW(プライム ウォッシュド) |
600〜750m | EGW(エクストラ グッド ウォッシュド) |
600以下 | GW(グッド ウォッシュド) |
グアテマラ産コーヒーの味と香り
[chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]どんな味?[/chat]
グアテマラで栽培されたコーヒー豆は、総じてどんな味・香りなのかを紹介しますね。
味
グアテマラ産コーヒーの味は、オレンジやリンゴのような果実を思わせるやや強い酸味が大きな特徴。深いコクがあり、後味はチョコレートやナッツのような甘みを強く感じます。
ブラジルなどの苦味・酸味のバランス取れたコーヒーよりも、個性的な印象。力強く優しい味わいで、飲み応えのある1杯が楽しめます。
香り
グアテマラ産コーヒーは、柔らかいフローラルな香りが特徴。飲むと、口の中に花のような優しい香りが漂い、フルーティーな味と非常に良くマッチしします。
グアテマラ産コーヒーが美味しい理由
[chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]なぜそんな味なの?[/chat]
グアテマラ産コーヒーが美味しい理由を3つ紹介しますね。
コーヒー豆の栽培に最適な山岳地帯
「木々の土地」という意味のグアテマラ。気候は基本的に亜熱帯型で、高く険しい火山が連なったり集まったりしています。
- 標高が高い
- 寒暖差が大きい
- ミネラル豊富な水源が多くキレイな水が使える
- 火山活動によって生まれた火山灰でつくられた豊かな土壌がある
このような自然条件がそろう火山はコーヒー栽培に最適!植えた種は、日中の暑さと夜間の冷え込みで収縮をくり返し、旨みがぎゅっと引き締まった実へと成長します。
グアテマラ産コーヒーの収穫期は9〜4月で、暖かい低地では9月ごろから収穫スタート。高知になるほど遅くなり、収穫されたコーヒーチェリーは精選・選別され生豆に加工されていきます。
日陰栽培&水洗式で精選
グアテマラ産コーヒーは、ほとんどが「日陰栽培」。強い日光からの葉焼けを防いだり、生育スピードがコントロールできたりします。日差し防止のシェードツリーを植えるスペースが必要なため、コーヒー生産量が落ちやすいのが欠点。コーヒー栽培の中で、贅沢な方法だといわれています。
収穫したコーヒーチェリーから種子を取り出し、生豆に加工する工程(精選)は、95%以上が「水洗式(ウォッシュド)」。果肉とパーチメントが別々に除去され、早い段階で完熟果実と未完熟果実が選別されます。
そのため、発酵による風味生成が少なく果実を思わせる酸味がシャープに出やすい傾向。ボディ(コク)が重く、力強い生豆が完成します。
グアテマラ全国コーヒー協会「ANACAFE(アナカフェ)」の発足
グアテマラ産コーヒーが美味しい3つ目の理由は、「グアテマラ全国コーヒー協会」、通称「ANACAFE(アナカフェ)」が発足していること。1969年、グアテマラ産コーヒーの徹底した品質管理のグレードアップのために、生産者の共同出資により設立された専門機関です。
主な活動内容は以下の通り。
- 気候や生産体制に関する研究
- 世界に向けたマーケティング
- 消費国への啓蒙活動
- 農園の把握・管理
- 生産者の育成
土壌の分析や降雨パターンなどのあらゆる研究結果が農園に提供されるため、年々変化する環境にも対応した上質なコーヒーになります。
グアテマラ産コーヒーの8大産地
[chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]産地を細かく分けるとどんな味?[/chat]
同じグアテマラ産のコーヒーでも、標高や気候条件が異なるため味わいはバラエティ豊富!アナカフェによる8つの生産エリアがあり、ここでは上質なコーヒーが栽培されています。
グアテマラ産コーヒーを探していると、商品名・格付けのほかに8大産地のいずれかを見かけます。各産地の特徴と風味を知って、購入の際の参考にしてくださいね。
コバン(Rainforest Coban)
フルーツのようなフレーバー
ほかの産地とかなり違った個性的な特徴を持つコバン。独特ななだらかな丘陵地帯で涼しく、曇天・雨天が1年中続きます。土壌は石灰岩と粘土質によって構成。大西洋盆地や北方のジャングルの熱帯の影響を受けて育ちます。
アンティグア(Antigua Coffee)
濃厚なコク、ふくよかな甘み
8大産地の中で、コーヒーにとって絶好の自然条件をあわせ持つアンティグア。品質の高さ・伝統から、グアテマラコーヒーの代名詞的存在です。
豊かな火山性土壌で、温度が低く、長い日照時間と夜間の涼しさが特徴。壮大な3つの火山に囲まれており、そのうちの1つ「FUEGO」は豊富なミネラルを含む火山灰をふらせます。
アティトラン(Traditional Atitlan)
明るいシトラス系の酸味
グアテマラの火山性コーヒー栽培地域の中で、もっとも豊富な有機物を含む土壌のアティトラン。もっとも日照量が多く、アティトラン湖岸からそびえるダイナミックな火山の傾斜でコーヒーが栽培されています。
サンマルコス(Volcanic San Marcos)
繊細でフローラルなフレーバー
8エリアの中で、もっとも暖かく降水量も1番多いサンマルコス。強烈な雨季があり、通常1〜3月のところ、もっとも早く開花します。
アカテナンゴ(Acatenango Valley)
クリーンな後味の余韻がある
2006年、アナカフェにより8番目のコーヒー生産地として登録されたアカテナンゴ。フエゴ火山の豊富なミネラル分を含む火山灰が土壌を上質なものに。多くのシェイドツリーが森林を構成しており、自然環境を保全しています。
フライハーネス(Fraijanes Plateau)
クリアな酸味
活火山と軽石が混在する火山性土壌があるフライハーネス。高地に位置し、豊富な雨量と一定しない湿度で気温の変動幅が大きい気象を持っています。
ニューオリエンテ(New Oriente)
チョコレートのようなフレーバー、重厚
雨天・曇天が多いコバンと似た環境のニューオリエンテ。かつての火山地。変成岩が砕けた土壌はミネラル成分がバランス良く、グアテマラの火山地帯と異なります。
ウェウェテナンゴ(Highland Huehue)
ワインのようなフレーバー、重厚
3つの非火山地帯のうち、もっとも標高が高く乾燥しているウェウェテナンゴ。人里離れた場所で起伏が激しく、メキシコから乾いた暖かい風が吹き込みます。グアテマラで最も有名な農園「エル・インヘルト農園」があります。
- 火山地帯:アンティグア・アティトラン・サンマルコス・アカテナンゴ・フライハーネス
- 非火山地帯:ニューオリエンテ・コバン・ウェウェテナンゴ
グアテマラ産コーヒーの美味しい飲み方
フルーティーな酸味とフローラルな香りで、自分自身も上品になれそうなグアテマラ産コーヒー。あなたはどんな風に飲みたいと感じましたか?おすすめの焙煎度と飲み方を紹介しますね。
フレッシュな酸味を楽しむ
シャープな酸味を引き立たせたいなら、深煎りの「ミディアムロースト〜シティロースト」がおすすめ。ほんのりとした苦味を感じつつ、フルーツジュースのようなフレッシュな酸味が楽しめます。
コクと香りを楽しむ
コクと香りを際立たせたいなら、浅煎りの「シティロースト」がおすすめ。酸味が和らぎ、苦味・コク・香りがより一層引き立ちます。
ミルクで甘くする
ミルクで甘さをプラスしたいなら、深煎りの「フルシティロースト以上」がおすすめ。濃いめに抽出したコーヒー(主にエスプレッソ)と温めたミルクを1:1の割合で混ぜて作ると美味しく仕上がります。
カフェオレやカフェラテと似ていますが、ミルクの量が少ない分コーヒーの味が濃くなる飲みもの。グアテマラでは「カフェコンレチェ(スペイン語: Café con leche)」と呼ばれています。
他のコーヒー豆とブレンドする
ボディ(コク)が重いグアテマラ産コーヒーは、ブレンドのベースに最適。苦味や酸味などの好みに合わせやすく、酸味とコクが活かされたオリジナルブレンドが楽しめます。
例えばこちら。
- マンデリン → ほろ苦さと深いコクが出る
- エチオピア → 酸味の果実感がしっかり出る
- ブラジル&コロンビア → コーヒーの香りが一層感じられる
それぞれの生豆やコーヒー豆を購入してブレンド作業も楽しんだり、販売されているブレンドコーヒーの商品内容を見て選んだりしてくださいね。
フローラルな香りで上品なあなたへ
グアテマラ産コーヒーは、上質なコーヒーができると有名な8つの産地でそれぞれ風味が違うことが分かりましたね。総じて、フルーティーな酸味とフローラルな香りが特徴。美味しく飲めば、どこか上品さを感じるあなたになれるでしょう!
まずは、ミルクや砂糖を加えずブラックコーヒーで本来の風味を味わってみてください。その後、産地や焙煎度を変えたり、カフェコンレチェやブレンドなどにチャレンジ!グアテマラ産コーヒーのバラエティ豊かな魅力を感じながら、素敵なコーヒー日和を送りましょう。