コーヒーの基本

サードウェーブコーヒーで文化的な歴史を感じよう!5つの特徴と楽しみ方。

Third wave coffee

コーヒーの文化をもっとよく知りたいと思いませんか?

よく使われる言葉や言い回しを流行語と呼ぶように、コーヒーにも「サードウェーブ」といわれる文化的なブームが存在しています。

1番目のファーストウェーブ、2番目のセカンドウェーブを生き抜き、数年前に迎えた3番目のサードウェーブコーヒー。飲むだけじゃなく、淹れ方や見た目も楽しみながらより高品質なコーヒーを味わうのが特徴です。

ここでは、

サードウェーブコーヒーって何?
美味しいの?

と気になるあなたへ、特徴を5つと楽しみ方をご紹介。よく似た言葉で間違われやすい「スペシャルティコーヒー」との違いもお届けします。コーヒー文化の移り変わりを知って、より充実したコーヒーライフを過ごしましょう!

サードウェーブコーヒーで文化的な歴史を感じよう

Third wave

コーヒーブームの3番目

サードウェーブ(英語:third wave)は、日本語に訳すと「第3の波」。コーヒー文化のトレンドに焦点を当てた言葉で、歴史や経済が大きく変わったときのこと(ブーム)を意味します。

  • 第1の波(ファーストウェーブ)
  • 第2の波(セカンドウェーブ)
  • 第3の波(サードウェーブ)

コーヒー業界で過去に起きたウェーブは3つ。そのうち、直近で起きたのがサードウェーブです。

それぞれの特徴は以下のとおり。

ファーストウェーブ ・大量生産、大量消費を重視
・自宅で本格コーヒー
・浅煎りテイスト
セカンドウェーブ ・シアトル系カフェ
・アレンジメニュー
・深煎りテイスト
サードウェーブ ・トレイサビリティの明確化
・ダイレクトトレード
・シングルオリジン
・浅煎りテイスト
・ラテ・アート

サードウェーブの特徴をもつのが「サードウェーブコーヒー」で、今や私たちにすっかり浸透。フェアトレードやダイレクトトレードなど、生産者を守るシステムもしっかりと定着しているようです。

近年では「ニトロコーヒー」などの新しい味わい方が登場し、第4の波(フォースウェーブ)に入りつつあるのだとか!

到来した背景

発祥年代 日本へ到来
ファーストウェーブ 19世紀 1960〜1990年代後半
セカンドウェーブ 1960年代 1996年
サードウェーブ 1970〜2000年代初頭 2015年

サードウェーブコーヒーは、1970〜2000年代初頭にノルウェー・オスロから始まりました。「サードウェーブ」という言葉がよく使われるようになったのは、2002年のアメリカ合衆国。独特なコーヒーの哲学をもつ人たちはサードウェーバーと呼ばれ、たちまち世界に広まっていきます。

それ以前の60〜80年代にも、カナダ・オーストラリア・ニュージランド・スカンディナビア諸国で似たようなブームがあるのだとか。日本への到来は2015年。サードウェーブコーヒーの先駆者とされるブルーボトルコーヒー・カンパニーの再上陸がきっかけです。

日本では、もともとサードウェーブコーヒーの考え方に近いコーヒー店がありましたが2015年の到来とともに言葉の使用が一気に拡大!カフェや通販サイトなど、いろいろなところで見かけられるようになりました。

サードウェーブコーヒーの5つの特徴

5

サードウェーブコーヒーには5つの特徴があります。

  1. トレイサビリティの明確化
  2. ダイレクトトレード
  3. シングルオリジン
  4. 浅煎りテイスト
  5. ラテ・アート

1つずつ詳しく見ていきましょう!

1.トレイサビリティがはっきりしている

サードウェーブコーヒーは、種子から1杯のコーヒーカップの中のコーヒーになるまでのすべての工程が明確化されています。このことを「トレイサビリティ(英語:traceability)」といい、直訳すると「追跡可能性」または「(食品の)移動を把握できること」。消費者の私たちでも、生産する地域や流通が分かるという意味があります。

トレイサビリティがはっきりしているサードウェーブコーヒーは、栽培・収穫・精選・格付けなど、どれも偽りのない高品質なコーヒー!品質向上や安全意識の高まりから、食品や医療品などさまざまなジャンルで重要度が増している概念です。

2.生産者を守るダイレクトトレード

トレイサビリティが定着していくうちに、流通は「ダイレクトトレード」が増加。コーヒー店が生産者から直接コーヒー豆を輸入することで、価値に対する正当な利益がきちんと生産者に渡される仕組みです。

大量生産が重視された時代は仲介者を挟んで取引されていましたが、不適正な売買価格で生産者が困ることが多くたびたび問題に。直輸入になったことで、生産者が守られつつコーヒー豆そのものの品質向上・維持にもつながりました。

3.特性を生かすシングルオリジンコーヒー

サードウェーブで使われるコーヒーは「シングルオリジンコーヒー(英語: Single-origin coffee)」。生産国ではなく、農園・生産者・品種・精選方法などの1つの単位が銘柄となっているコーヒーのことです。

魅力は、ブレンドしたものと比べて個性的な特徴や味が楽しめること。商品のパッケージには農園名や生産者名まで細かく記載されており、そのコーヒーにシンボル的な価値が与えられます。

別名「生産者の顔がみえるコーヒー」ともいわれるシングルオリジンコーヒーは、品質のブレが少なく安心・安全・高品質。農園などのカテゴリーの違いで、以下のような呼び名もあります。

シングルエステートコーヒー ・数エーカー〜数マイルの大規模な農園で栽培されているもの
・協同農園のもの
マイクロロット
スモールロット
・農園内の1つの畑で収穫されたもの
・特定の標高で収穫されたもの
・特定の日に収穫されたもの

4.酸味が魅力の浅煎りテイスト

サードウェーブコーヒーは、コーヒーの個性を重視するという考え方。焙煎度は「浅煎り」で、オレンジやイチゴのようなフルーティーな風味を楽しむのが一般的です。

コーヒーの生豆は、加熱すると始めに酸味が形成されそのあと酸味が徐々に消えて苦味が増します。浅煎りは焙煎時間が短いので、酸味が強くクリアな味わいに。深煎りと比べて、コーヒー豆本来の味が引き出され、透明感のある繊細な個性が感じられます。

5.見た目を楽しむラテ・アート

Latte art

サードウェーブコーヒーでは、飲むだけじゃなくカップに注いで口にするまでの見た目や体験が重視されています。その1つの楽しみ方としてよく知られているのがラテ・アート。エスプレッソを基本に作り方は2種類あり、どちらも描く楽しみと見る楽しみがあります。

フリーポア スチームミルクをエスプレッソに注ぎながら描く
エッチング エスプレッソの上からピックやスプーンで描く

定番のデザインは「ハート」や「リーフ」。あなたも1度は見たことがあるのではないでしょうか?最近は、インスタ映えのする3Dラテアートも大人気です。かわいいラテ・アートが完成したらSNSを使って全世界の人に発信!コーヒーの魅力が伝わり、サードウェーブコーヒーの特徴の1つである「品質の向上・維持」につながります。

「スペシャルティコーヒー」と同じ?

サードウェーブコーヒーを少し調べていくと、「スペシャルティコーヒー」がよく目に入ります。この2つは、同時期に日本へ到来したことから使い方が間違われやすい言葉。共通点はありますが、意味合いが違うので知っておくと良いですよ。

言葉の意味が違う

それぞれの意味は以下のとおり。

サードウェーブコーヒー ・コーヒー文化のトレンドに焦点を当てた言葉
・歴史や経済が大きく変わったときのこと
スペシャルティコーヒー ・美味しいと満足するコーヒーのこと
・コーヒーのカテゴリーの1つ

コーヒー業界にはサードウェーブコーヒーというブームがあり、その中で飲まれるコーヒーの1つがスペシャルティコーヒー。通販サイトで検索しても「サードウェーブコーヒー」でヒットする商品はほぼゼロに等しく、「スペシャルティコーヒー」でヒットする商品は何ページにも渡り出てきます。

どちらもコーヒーの価値を追求している

サードウェーブコーヒーとスペシャルティコーヒーが同じように使われてしまう理由は、「観点」と「普及年代」が似ているため。サードウェーブコーヒーの「コーヒーを飲むという体験の重視」という考え方は、スペシャルティコーヒーの「高品質・付加価値の重視」という考え方と似ており、コーヒーの価値を追求するというスタンスが共通しています。

発祥 日本へ到来
サードウェーブコーヒー 1970〜2000年代初頭 2015年
スペシャルティコーヒー 1960年代 2015年

このように、発祥と日本へ到来した時期もほぼ同じ!2015年にサードウェーブコーヒーが日本にやってきて、同時期にスペシャルティコーヒーも流行り始めたためしばしば同じように使われてしまうのでしょう。

スペシャルティコーヒーについて詳しくは以下をご覧ください。

サードウェーブコーヒーの楽しみ方

実際に、サードウェーブコーヒーの魅力を感じてみましょう!

シングルオリジンコーヒーと道具を用意する

まずは材料と道具の用意から。ここでは、シングルオリジンのコーヒー豆をハンドドリップで丁寧に淹れていきます。スペシャルティコーヒーでも良いですよ。

  • シングルオリジンコーヒー
  • ドリッパー
  • コーヒーミル
  • コーヒーサーバー
  • ペーパーフィルター
  • コーヒーケトル
  • マグ

ハンドドリップでじっくり淹れる

hot water

用意できたら抽出スタート!ハンドドリップで、淹れる手間そのものを楽しんでください。

手順は以下のとおりです。

  1. ケトルやポットに多めのお湯を沸かす(約95℃)
  2. フィルターをサーバーにセットする
  3. フィルターに挽いたコーヒー粉を入れる
  4. お湯を少量優しく注ぎ、20秒ほど蒸らして膨らみを確認する
  5. 続いて3回に分けてゆっくりと注ぐ
  6. 完成

ドリップ式は、コーヒー粉を「染み込ませる」イメージで数回に分けて全体をまんべんなく湿らせるのがコツ。コーヒー粉の中心で、クルクルと小さな「の」の字を描くように注ぎましょう。

同じ位置に勢いよく注ぐと表面に穴があいたようになり、コーヒー粉全体のお湯に触れる時間がバラバラに。成分が均一に抽出できず、計量した分の理想の味わいが薄まってしまいます。

先駆者「ブルーボトルコーヒー」を飲む

プロが淹れる美味しいサードウェーブコーヒーが飲みたい!

そんなあなたには、

  • サードウェーブコーヒーの代表格
  • コーヒー界のApple
  • 第3のコーヒー勢力

と、いくつもの呼び名がある「ブルーボトルコーヒー」がおすすめ!2015年に東京へ進出。2月6日に清澄白河店、3月7日に青山店がオープンし、日本でサードウェーブコーヒーが広まるきっかけとなったコーヒー店です。

創設者「ジェームス・フリーマン(James Freeman)」氏によると、コーヒーは味だけじゃなく心を込めるもので、マニュアルで効率化されるものではないとのこと。

生豆の収穫や仕入れは直接現地へ出向き、もっとも美味しいと判断したシングルオリジンコーヒーだけを使用。熟練の焙煎士がコーヒー豆の個性を最大限に活かせる方法で焙煎し、お店では美味しさのピークを迎えるタイミングでコーヒーを抽出してくれます。

Blue bottle coffee

コンセプトは「個人の香りがするコーヒーチェーン」。自分のために淹れてくれる手作りのコーヒーは、あたたかみがあり瞬く間に日本人の虜になりました。ラテ・アートも有名ですよ。

2021年8月現在は、東京・神奈川・群馬・京都・兵庫・大阪に店舗を展開中。ジェームス・フリーマンは日本の喫茶店が大好きで、その影響を受けた店内の独特な雰囲気が楽しめます。

身近にブルーボトルコーヒーを楽しみたい人はこちら。

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このほか、インスタントタイプやコーヒーに合うお菓子、マグなどのグッズもありますよ。

サードウェーブコーヒーで流行の波に乗ろう

サードウェーブコーヒーは、カップの中に至るまでそれぞれのストーリーとプロの顔が見える高品質なコーヒー。生産者を守り、味はもちろん見た目や体験も楽しめるのが魅力です。

コーヒー文化の歴史を感じながら、自宅で、もしくはカフェでお好みのサードウェーブコーヒーを味わってくださいね。